「もう一度生まれ故郷を見たい」

先日、仕事で長野県に行きました。

お仕事の内容は、
がん末期で施設に入所されている
脚が不自由でご高齢なお客様からのご要望で、

「最期にもう一度、生まれ故郷を見たい。」とご家族、施設責任者と一緒に介護付添の送迎です。

事前のご家族、施設責任者との打ち合わせで、
ご高齢で認知症もあり、故郷を離れ70年近く経過、住所等の記憶も曖昧で、市町村合併で地名も変化。

施設入所の方なので、コロナ感染予防対策から人との接触を避けて昼食は車内でコンビニ弁当。
車椅子のため雨天延期との打ち合わせでした。

ご本人が思い出せるか?
そしてどこまでご要望にお答え出来るか?
感染対策や山の坂道での車椅子移動は大丈夫か?

当日朝、
梅雨入り前の晴天に恵まれ、リクライニング車椅子に座って頂いて出発。

トイレ休憩で立ち寄った道の駅で、施設責任者の方がレストランを確認すると、
ランチ時間前で空いており、感染リスク少ないとご判断され、ご本人に聞くと、

「コンビニ弁当より山菜そばと五平餅を食べたい」

と言われ懐かしい味をご堪能されました。
食事中に何かを思い出されたのか、突然に涙されました💧

山道を1時間ほど進め目的地に到着。
学校、役場を回りますが思い出せません。

村役場で当時の事を聞いてみると、統合で中学校の名前が変わっており、
校舎も建て替えで新しくなっているとの事。

あきらめかけた時、
老人クラブで何人か集っているから、そこで聞いてみたらと教えてもらいました。

老人クラブで事情を説明し、生年月日から同世代のお一人のお名前を教えてもらうと、

「その人と昔よく遊んだ」と思い出されました。

再度村役場に戻りその人の名前を伝えると、
役場の人もその人を知っており、
なんと❗役場の人が目の前で直接電話されました。
祈る気持ちで電話が終わるのを待ちました。

すると、
幼なじみなので是非会いたいから家に来てほしいとの返事でした。

地図でその方の家を教えてもらい、車で行ける限界の山道を登り続けると、
一人の方が手を振っています。

「久しぶりだねぇ」

70年近く会ってなくても面影があるみたいで、
懐かしい話しを延々とされ、認知症を忘れるぐらい
お客様の笑顔がとても素敵でした。

精神体力共に疲れ果てましたが、達成感のある充実した仕事でした。

ご家族と施設責任者の献身さ、
何とかしてあげようとする人の暖かさ、
近頃接する事がなくなった行政の役割、

様々な想いを巡らせる仕事に感謝です。

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